オーバーナイト法のメリット、デメリット、中種法との違い!膨らまない原因は? | ライフアップトピックス

オーバーナイト法のメリット、デメリット、中種法との違い!膨らまない原因は?

オーバーナイト法 中種法 違い パン

オーバーナイト法は、パン生地をこねて発酵後、一晩冷蔵庫で寝かせて翌日以降に成型して焼く方法です。

パンをオーバーナイト法で作るメリットは下記の通りです。

  • 風味や甘みが増す
  • 作業時間がコントロールできる
  • 日持ちがよくなる

オーバーナイト法のデメリットは、出来上がりまでの時間が長いことです。

また、中種法のオーバーナイト法との違いは、先に材料の約半分を発酵させ発酵種として使うところです。

オーバーナイト法で作ったパンが思ったより膨らまない原因は

  • こねてから発酵が始まる前に冷蔵庫に入れてしまった
  • 冷蔵庫から出したあと常温に戻さずに成型し二次発酵も十分でなかった

などが考えられます。

生地に冷たさがなくなってから成型し、二次発酵の時間をとることが上手くいくポイントになります。

今回はオーバーナイト法のメリットやデメリット、中種法との違いを紹介します。

オーバーナイト法を知っておくと、まとまった時間が取れない方でも手作りパンを楽しむことができますよ。

ぜひ、最後までご覧ください。


スポンサーリンク

オーバーナイト法のメリットとデメリット

オーバーナイト法 中種法 違い

オーバーナイト法は低温長時間発酵とも言われ、こねたパン生地を5~7℃程度の環境で12~24時間かけてじっくり発酵させます。

家庭でオーバーナイト法を行うなら冷蔵室は5℃以下で酵母の活動が微弱になるため、庫内が3~7℃の野菜室が適しています。

オーバーナイト法のメリット

オーバーナイト法を行うと下記のようなメリットがあります。

  • 風味や甘みが増す
  • 作業時間がコントロールできる
  • パンの日持ちがよくなる

パンの風味や甘みが増す理由は、ゆっくり時間をかけて酵母を活動させることで酵素や菌などがたくさん生成されるためです。

長い発酵時間の間にでんぷんが糖に変化する量も多くなり、パンの甘みが増す効果もあります。

ドライイーストを使用する場合、普通のレシピの半分以下で済むためイースト臭が抑えられるのも魅力です。

オーバーナイト法でパンを作るときの目安は、強力粉250gに対してドライイースト1gです。

フランスパンやカンパーニュを作る際にも適しています。

ただし、ライ麦粉を使ったレシピでは酸っぱくなりやすいためオーバーナイト法は避けた方がよいでしょう。

オーバーナイト法は、前日にこねて一次発酵させてから冷蔵庫に入れ、続きの作業は翌日にまわせるのでまとまった時間が取りづらい方にもおすすめです。

夏場のパン作りもオーバーナイト法で作れば、発酵場所や過発酵の悩みも解消されますよ。

また、オーバーナイト法を行うとパン生地の水分の浸透がよくなり、しっとりしたパンに仕上がります。

焼成後もパンの中の水分がキープされ、でんぷんの老化を遅らせるため傷みづらくなります。

オーバーナイト法のデメリット

オーバーナイト法はパンを低温でゆっくり発酵させることで美味しくなりますし、作業効率も上がるためメリットばかりだと言えるでしょう。

ただ、パンの出来上がりまでの時間が長いことがデメリットになってしまいます。

オーバーナイト法では冷蔵庫に入れるまでに30分ほど発酵させ、冷蔵庫で12~24時間、冷蔵庫から出したあとも焼くまでに1時間以上かかることがあります。

使用する酵母はドライイーストでも天然酵母でも同じくらいの時間がかかります。

パンを作ったら早く食べたい方には少し気が遠くなってしまうかもしれません。

実は、以前待ちきれずに8時間ほどで冷蔵庫から出して焼成したことがあります。

8時間でも問題なく焼くことが出来ましたが、状況的に気温が高く酵母の働きがよかったことが考えられます。

しかし、寒くなってからオーバーナイト法でパンを作るときは、パン生地が芯まで冷えてなかなか常温では戻りません。

そんな時は、大きなビニール袋に熱湯を入れたコップとパン生地を入れて覆って、ミニ温室を作って冷えを解消しています。

お金も場所も取らずに簡易的に乾燥を防ぎながらパン生地の温度を戻すことができますよ。

オーブンやこたつを使って生地の温度が上がるよう、調整してみるのもおすすめです。

スポンサーリンク

オーバーナイト法と中種法の違い

オーバーナイト法 中種法 違い

オーバーナイト法と中種法の違いは

  • 材料の約半分を先に発酵させ発酵種(中種)を作る
  • グルテンが強い

中種法は、材料のおよそ半分を先に発酵させ、発酵種(中種)を作ります。

発酵種(中種)と残りの材料を混ぜてもう一度こねて全量を発酵させるため、グルテンの力が強い生地になります。

生地にガスがしっかり溜まるため、パンがよく膨らむのも特徴的です。

中種法は食パンや菓子パンなどに適していて、大手製パン業者でも行われている製法です。

製パン業者では材料の7割を先に発酵させた中種法が多いようです。

中種の基本的な作り方は、生地の約半分を使い24℃程度で4時間ほど発酵させます。

パンの発酵は通常35~40℃ぐらいで行いますが、中種は10℃ほど低い温度で寝かせゆっくり発酵を促します。

また、中種法の中には、オーバーナイト中種法という方法があります。

オーバーナイト中種法は、低温で一晩中種を寝かせる方法です。

オーバーナイト中種法は、中種を冷蔵庫から出した後生地の水分バランスを見て、残りの材料と混ぜるときに調整できるところがメリットだと言われています。

オーバーナイト中種法は、しっとりとして柔らかいパンになるため食パン向きですが、実は甘い菓子パンにも適しています。

バターや砂糖の量が多い菓子パンの生地はベタベタすることがありますが、一晩冷やすことで落ち着き作業しやすくなると言われています。

生地のバターの折り込みをする場合も、冷たい方が扱いやすく作業しやすくなります。

スポンサーリンク

オーバーナイト法レシピ

オーバーナイト法 中種法 違い

オーバーナイト法は、昔フランスのパン職人が労働時間の短縮のために編み出した製法と言われています。

食パンからフランスパンなどのリーンなパンまで作れるオーバーナイト法ですが、ここでは食パンにもなる副材料の少ない基本のパンのレシピを紹介します。

基本のパン(一斤分)

◆材料◆

  • 強力粉250g
  • 水170ml(冬は35℃ぐらいに温める)
  • 砂糖15g
  • 塩4g
  • インスタントドライイースト1g
  • バター10g

◆作り方◆

  • ボウルに材料を入れてゴムベラで混ぜる
  • ボウルの中で軽くこねて一つにまとめて閉じ目を下にしてラップする
  • 生地の大きさが2倍になるまで30分程度常温またはオーブンの発酵機能などで発酵させる
  • 乾燥しないようラップで覆いさらにビニル袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れる
  • 12~24時間寝かせる
  • 冷蔵庫から出して生地に冷たさがなくなるまで常温で置く
  • ガス抜きする
  • お好みの大きさに切り分け丸めてフキンをかける(ベンチタイム)
  • 成型する
  • オーブンを190℃に予熱する
  • 二次発酵する
  • 190℃のオーブンで15分ぐらい焼く

生地を発酵させてから冷蔵庫に入れることと、冷蔵庫から出してから常温に戻すことが大切です。

生地の温度が低すぎると酵母のはたらきが弱くなって膨らまない原因になります。

オーバーナイト法では、成型前の発酵を冷蔵庫で長時間行うレシピがほとんどです。

成型後の二次発酵を冷蔵庫で長時間行うと、生地が冷え過ぎてなかなか焼くまでに至らず待つ必要があります。

生地が冷たい状態で焼いてしまうと膨らまない原因になり、焼き色がつかなかったり生焼けになったりして失敗してしまうこともあるので注意が必要です。

スポンサーリンク

まとめ

オーバーナイト法のメリットとデメリット、中種法との違いとレシピを紹介しました。

  • オーバーナイト法のメリットは風味や甘みが増しパンの日持ちがよくなる
  • 作業時間を2日に分けることが出来る
  • デメリットは出来上がりまでの時間が長い
  • 中種法は材料の約半分を先に発酵させ発酵種を作り残りの材料と合わせて再度発酵させる

オーバーナイト法は、こね時間が少なくてもグルテンは寝かせている間に生成されるのでよい生地に仕上がります。

冷蔵庫で寝かす時間は48時間までなら間に合いますので、翌日作業しそびれてしまっても大丈夫ですよ!

ただ、時間が経過するにつれてパンの酸味が強くなっていきますので菓子パンなどの甘いパンを作る際は気を付けてくださいね。

パン
ライフアップトピックス

コメント