ローストポークや煮豚の切った断面がピンク色だと、食べていいのか迷いますよね。
豚肉に火を通したのにピンク色になる原因は、豚肉の色素たんぱく「ミオグロビン」が調理したときに反応を起こしたことが原因かもしれません。
火が通っていれば切った断面がピンクでも肉汁が透き通っているので、串などを刺して肉汁を見て判断しましょう。
ただ、断面が明らかに赤く肉汁も赤色だったらもう少し加熱するようにしてください。
誤って火が通ってない豚肉を食べてしまうと腹痛や発熱などのほかに肝炎など重い症状になってしまうこともあります。
もし、食後に異変があったら医療機関を受診しましょう。
豚肉は焼き過ぎると固くなってしまいますし、火が通っていなければ体に悪影響を及ぼします。
この記事を読んで火が通っているかの見分けポイントを知っていただき、調理に役立ていただければ幸いです。
加熱してもピンクの豚肉は食べても大丈夫?
ローストポークや煮豚が切ってみたら赤いと生焼けなのか、うまく調理できたのかわかりづらいですよね。
加熱不足の可能性もありますが、肉の中に含まれる「ミオグロビン」という色素たんぱく成分が反応を起こし、ピンク色になっていることも考えられます。
一緒に加熱した玉ねぎやにんじんなどに含まれる亜硝酸ナトリウムに、「ミオグロビン」が反応したことが原因ですので心配はいりません。
亜硝酸ナトリウムは、畑の土などに含まれている成分で身近によく使われている野菜に含まれている成分です。
「ミオグロビン」は、加熱直後より時間が経ってから反応を起こすといわれていますので、食べる直前に切ってみたら赤かった!と驚き心配になるかもしれません。
「ミオグロビン」は、調理をする際に野菜をよく洗って水切りし、茹でてから加えると発色を抑えることができますよ。
ローストポークは、63℃より高温のオーブンでゆっくり加熱するため細菌は死滅しているはずですが、火のあたり具合はオーブンによっても違いますので、中心部を串で刺して肉汁をチェックしてくださいね。
肉汁が透明なら、火が通っているので大丈夫ですよ。
また、豚肉を焼肉やしゃぶしゃぶにするときは、完全に赤いところがない状態まで加熱することが大切です。
焼肉や生姜焼きは、表裏両面しっかり焼くようにしてください。
中まで熱が入ったか心配なときは、ふたをして蒸し焼きにするといいでしょう。
しゃぶしゃぶの場合はお湯に浸ける時間が短すぎる方がいますが、豚肉の場合はとても危険です。
グラグラ煮えている鍋に入れると一瞬で肉が白っぽくなりしまって固くなりますので、80℃ぐらいの温度でしゃぶしゃぶするのが理想です。
特に子供が食べるときは、大人が見ていてあげた方がいいでしょう。
実は、きちんと火が通っていない豚肉を食べるとお腹を壊すだけでなく、思わぬ重大な事態になることがあります。
食中毒以外にE型肝炎ウイルスに感染したり、トキソプラズマ症という寄生虫が体内に入ったりする可能性があるのです。
E型肝炎ウイルスは、
- 悪寒
- 筋肉痛
- 肝機能低下
- 黄疸
このような症状があらわれ、特に高齢者は症状が回復しづらいと言われています。
また、妊娠中の方がかかってしまうと薬にも制限がありますし長引くことがあるようです。
トキソプラズマ症は、まれに生の豚肉にいる寄生虫が体内に入ってしまって起こる症状です。
トキソプラズマが体内に入ると2割の人に
- 発熱
- リンパ節が腫れる
- 頭痛
などの症状が出る様です。
8割の人は無症状ですが、妊娠中の方は注意が必要です。
トキソプラズマは、胎盤から赤ちゃんに感染する可能性があるからです。
妊娠初期ですと流産や死産を引き起こしたり、赤ちゃんの成長に影響を及ぼすことがあるといわれています。
妊娠後期に感染した場合も赤ちゃんに障害が残るかもしれないため、日ごろから調理の際に生肉に触ったらよく手を洗い、肉にはしっかり火を通すようにしてください。
心配なときは抗体検査を受けることもできますので、火が通っていない肉を食べてしまったかもと不安なときは、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
豚肉を生で食べてしまった時の対処法
火が通っていない豚肉を食べて、腹痛、頭痛、発熱があったら、早めの受診をおすすめします。
すぐに症状がでなくても肉の食中毒にはカンピロバクターのように、3~4日経ってから菌が体内で増殖して不調が起こる場合があるので注意が必要です。
実際に私がカンピロバクターの食中毒になってしまったときは、3日目に微熱と腹痛が始まりました。
強い痛みはなく元気だったのですぐに受診しなかったのですが、食後不調になる症状が続き受診しました。
受診したときは、1週間経っていて医師から抗生剤を確実に服用するよう指示を受けています。
薬を飲み始めたら症状はなくなりましたが、カンピロバクターは確実に体内から出さないと手足が痛んだり運動障害が起こる、ギランバレー症候群を引き起こすことがあると聞きました。
幸いギランバレー症候群には至らなかったのですが、以前より調理のときに気を付けるようになっています。
食中毒は自己判断せず受診することをおすすめします。
豚肉が生か火が通っているか見分けるには?
ハンバーグやとんかつは半分に切って、確認すると確実です。
ちゃんと火が通っているかを見分けるポイントは下記の3つになります。
- 楊枝などで刺して出てきた肉汁の色が透き通っている
- 切って中心部を計測したら65℃以上ある
- 断面の色がしっかり焼き色になっている
基本的に肉の加熱は、
- 75℃で1分以上中心部まで加熱する
- 63℃以上で30分以上加熱する
と厚生労働省から推奨されています。
加熱時間が短すぎたり火が弱かったりする、思ったより火が通っていなかったということもあります。
必ず食べる前に確認しましょう。
我が家は、煮豚を切って赤い部分があったら電子レンジで加熱することもあります。
電子レンジをかけすぎてしまうと肉がしまって固くなるので、食べる分だけを切ってラップをかけずに600Wで20~30秒加熱して取り出すようにしています。
電子レンジで加熱すると、赤色がなくなり焼けた色になりますよ。
気になる方は試してくださいね。
まとめ
今回は、生の豚肉を食べてしまった時の対処法と豚肉が火が通っているか見分ける方法をお伝えしました。
- 加熱してもピンクの豚はミオグロビンの反応が原因の場合がある
- 生の豚肉を食べてしまって体調に変化が出たときは早めに受診する
- 生の豚肉を妊娠中に食べてしまったらトキソプラズマ症の心配があるので早めに受診する
- 豚肉が生か火が通っているかの見分け方は、切った断面の色だけでなく肉汁が透き通っているか確認する
豚肉はしっかり火を通してから食べましょう。
火が通っていない豚肉を食べて心配な症状があったら、早めの受診をおすすめします。
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