常温で置いたままにした納豆は、食べても心配ないのか気になりますよね。
納豆を冷蔵庫に入れ忘れてしまった場合、室温を10℃以下に保てる冬場ならば、1日放置しても食べることができます。
しかし、気温の高い日や夏場は数時間で腐敗することもあるので、10℃以上になる場所で保存した場合は、納豆をよく観察し、食べられるかどうか判断してください。
あと、納豆は食べる前に常温に戻したほうがいいというのを聞くことがありますが、それは、納豆を食べる前に、かき混ぜてから20分程常温に戻して置くと、納豆の発酵が進むので、栄養成分が増えると言われているからです。
それでは、納豆を常温で1日放置したら腐るかどうか、食べる前に常温に戻す方がよいかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
買って来たものを冷蔵庫にうっかり入れ忘れることがあるという方、せっかく買って来た納豆を無駄にしないためにも、この記事を参考にしてください。
納豆は常温放置でどれくらい日持ちする?
常温で放置した納豆の日持ちは、置いた部屋の温度や湿度に影響されるので、はっきりといつまでなら大丈夫とは言えません。
ただ、室温を10℃以下に保てる冬場ならば、1日放置しても食べることができるとされています。
夏場や梅雨時は気温や湿度が高いので、翌日には腐っていることが考えられます。
ネット上では、納豆を冷蔵庫の外に出したままでも、半日~3日くらいなら大丈夫だったという意見や、1日や2日で体調を崩したという意見など様々でした。
10℃以上の場所に放置してしまった場合は、納豆をよく観察し、腐っていないかどうか判断して、自己責任で食べてください。
少しでも異変を感じたら食べない方がよいでしょう。
我が家で買った納豆の表示を確認すると、「冷蔵(10℃以下)にて保存してください。」と書かれていました。
10℃以下であれば冷蔵庫でなくても保存は可能ですが、1日通して10℃以下の場所は少ないでしょうから、冷蔵庫保存が好ましいというわけです。
常温で放置して食べられる場合
納豆を10℃以上の常温に置いておくと、発酵が進みアンモニア臭が発生します。
しかし、よく臭いを確かめてアンモニア臭がなければ再発酵していないことが多いので、食べても大丈夫です。
アンモニア臭が発生した場合でも、体に害を及ぼすものではないので食感は落ちてしまいますが、食べることはできると言われています。
しかし、アンモニア臭がきついので違和感がある方は、食べることを控えた方がよいでしょう。
常温で放置して食べられなくなった場合
常温で放置すると、発酵ではなくて雑菌が増えて腐敗することがあります。
発酵も腐敗も菌が増殖するということに関しては同じですが、増殖する菌に大きな違いがあります。
発酵する時の菌は、健康な体になるために菌を植え付けて発酵させたもので、人体に有用なものです。
腐敗する時の菌は、雑菌が繁殖して腐った状態のもので、人体に害を及ぼすものです。
納豆には、身体に有用な納豆菌が含まれていますが、常温で置くことにより、雑菌に触れて腐敗してしまいます。
納豆は常温で腐る?腐るとどうなる?
納豆を冷蔵庫に入れるのを忘れて常温に置いたままにすると、発酵が進み、やがて腐って食べられなくなります。
雑菌が繁殖して腐った場合の見分け方をお伝えします。
腐った納豆の特徴
- 糸を引かなくなったり水っぽくなったりする
- ドロドロしている
- 豆の色が変色して黒ずんでいる
- カビが生えている
- 強いアンモニア臭や焦げたような臭いがする
- 味に苦味を感じるなど違和感がある
発酵した納豆が腐ると、雑菌が繁殖し納豆菌のネバネバがなくなるので、混ぜても糸を引かなくなります。
納豆には納豆独特の匂いがありますが、腐ると耐えられない程、強い臭いや味に変わります。
食べても大丈夫な納豆の特徴
発酵は進んでも傷んでいなくて、まだ食べることができる状態の納豆についてお知らせします。
白いつぶつぶがある
納豆に白いつぶつぶが付いていることがありますが、この白い粒はカビではなく、アミノ酸の結晶でチロシンと呼ばれるもので、食べても大丈夫です。
箸でかき混ぜているうちに、白い粒は気にならなくなります。
食べるとシャリシャリした食感で、あまり美味しくないと感じる方もいらっしゃるかもしれないですが、健康的には問題ないので食べられます。
チロシンは発酵が進むと出てくるので、賞味期限の前後や常温に何時間か置いた時などに見られることがあります。
表面に白いものがある
納豆の表面に見られる白いモコモコした、もやのようなものが見られることがありますが、それは「被り(かぶり)」と呼ばれるもので、粘りの上にのった納豆菌の菌層です。
これも食べても心配ありません。
全体的に白いものもあれば、部分的に白くなっているものや幾分茶色っぽく見えるものなどがありますが、異常ではないので食べられます。
納豆の粒の一部がピンク色や黒色に見える
大豆の芽が出る胚芽部分がピンク色に見えることがありますが、身体に害はありません。
また豆のへそと呼ばれる部分に筋が入っていますが、これは子実(豆)がさやにつながっていた部分です。
へその部分が茶色くまたは黒く見えることがありますが、身体に害を及ぼすようなことはありません。
納豆は常温で食べるのがいい?
納豆を常温で食べると良いと言われるのは、納豆が再発酵し始め、納豆菌が増殖してナットウキナーゼという酵素が増えるからです。
納豆の栄養素を効果的に摂取する方法
納豆を美味しくしかも、栄養素を効果的に摂るためのポイントをいくつかお伝えします。
食べる20分程前に常温に戻す
ナットウキナーゼが増えるとビタミンK(野菜類の5~10倍)などの栄養成分も増え、粘りも良くなり美味しくなると言われています
長時間常温に置くと発酵が進み過ぎるので、食べる前に少しだけ常温に置くと栄養素を効果的に摂取できます。
食事の20分前に冷蔵庫から出してかき混ぜて、常温に置いておくとよいでしょう。
賞味期限間近に食べる
納豆を賞味期限ぎりぎりまで発酵させておくことで、納豆に含まれるナットウキナーゼや、骨の健康に効果を発揮するビタミンKなどの栄養効果が高まります。
加熱調理は控える
発酵が進み過ぎてそのまま食べるのは心配だという時は、加熱調理して食べた方が安心でしょう。
しかし、そのような心配がない場合で、血液をサラサラにしたいので納豆を食べたいという方は、加熱調理するのは控えた方が、栄養素を効果的に摂ることができます。
納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素は、熱に弱く70℃以上で死滅すると言われています。
加熱調理だけでなく、熱々のご飯にのせて食べるのもお勧めできません。
50℃を超えるとナットウキナーゼの効果が弱まりますので、ご飯にのせて食べたい時には、ご飯を少し冷ましてから納豆をのせれば、栄養素を摂り入れて美味しく食べることができます。
タンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素は加熱してもそのままなので、ナットウキナーゼは死滅してしまっても、他の栄養素が摂れれば良いとう方は、加熱調理しても差し支えありません。
納豆を食べる効果的な時間帯
納豆と言えば、朝食に食べるイメージがありますが、朝以外の時間に食べることで得られる効果もあるのでご紹介します。
納豆を夜に食べる
ナットウキナーゼには、血栓を溶かす作用があり、食べてから4~8時間の間に効果が発揮されると言われているので、血栓症が起こりやすい夜に食べることでその効果を期待できます。
夜に納豆を食べることで、血液をサラサラにしてくれるので血行が良くなり、動脈硬化や心臓病の予防になります。
夜に納豆を食べると、疲労回復や美容にも良いそうです。
納豆を朝に食べる
納豆には良質なタンパク質が含まれているので、納豆を朝食べることで冷え性を予防する効果もあるそうです。
冬場だけでなく、冷房を使用することが多くなる夏場も手足が冷えやすいので、冷え性が気になる方は、朝に納豆を食べる習慣を付けてもいいですね。
また、しっかり混ぜることで旨味が出ます。
納豆には食物繊維と乳酸菌が含まれているので、朝食べることで腸内環境を整えてくれます。
納豆の皮には、植物繊維が含まれていることから、ひきわり納豆より粒納豆の方が、より朝のお通じが期待できます。
まとめ
納豆を常温で1日放置したけど腐るか、食べる前に常温に戻す方がよいかなどについてお伝えしました。
- 納豆は、室温を10℃以下に保てる冬場ならば1日放置しても食べることができます。
夏場なら数時間で腐敗することもあるので、食べる場合は、見た目や色などよく見極めてから食べるとよいでしょう。 - 納豆を常温に置いたままにすると、発酵が進み、やがて腐って食べられなくなります。
納豆は腐ると、
・糸を引かなくなったり水っぽくなったりする
・豆の色が変色して黒ずんでくる
・カビが生えてくる
・強いアンモニア臭や焦げたような臭いがする
などの特徴が見られます。 - 納豆を常温で食べると良いと言われるのは、納豆が再発酵し始め、納豆菌が増殖してナットウキナーゼという酵素が増えるからです。
常温で長時間保存することは避けた方がよいですが、食べる20分程前に常温に戻すことで栄養素を効果的に摂取できます。
「納豆はもともと腐っているから、心配ない。」ということを聞いたことがありますが、これは大きな間違いで、納豆も腐るので腐った納豆を食べることはできません。
腐った納豆を食べないために、粘りや臭いなどをチェックして効果的に納豆の栄養素を摂り入れられるように、この記事を参考にしてもらえたらうれしいです。
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