ラグビーの試合では、ごくまれにノーコンテストスクラムという特殊なスクラムが組まれることがあります。
「初めて聞いた」とか「何それ?」という人も少なくないかもしれません。
ラグビーを観るうえで欠かせないのがスクラムですが、ノーコンテストスクラムというルールを知っておくと、より楽しくラグビーを観ることができるでしょう。
ノーコンテストスクラムがそもそうどういったスクラムで、どんな条件で行われるのか、そのあたりについてまとめてみました。
ノーコンテストスクラムとは押し合わないスクラム
ラグビーの醍醐味といえば、体格のいい選手が身体と身体をぶつけ合い押し合うスクラムだという人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、試合中には予想外のことが起き、スクラムを組めないといった事態が起きることもあります。
それは、フロントロー(スクラム1列目)の選手に負傷や退場が続発し、フロントローができるフォワードの選手がいなくなってしまった時です。
そんな時に採用されるのが、ノーコンテストスクラムというルールです。
ノンコンテストスクラムやアンコンテストスクラムと言ったりもします。
ノーコンテストスクラムは、コンテストしないスクラムのことで、押し合わないスクラムとなります。
押し合わないのでボールの争奪戦が起きません。
なので、ボール投入側が必ずボールを獲得することになります。
スクラムなのに押し合いがないので、見ている方はラグビーの醍醐味が失われてしまった感があり、物足りない試合になってしまいます。
ノーコンテストスクラムになる条件は?
ラグビーの試合でノーコンテストスクラムになる条件は、いくつかあります。
ラグビーのスクラムでは、8人のフォワード陣の選手が相手チームのフォワードの選手と肩を組み押し合いを行います。
その8人の中でも最前列となるポジションに、1番と3番(両端)のプロップ、2番(真ん中)のフッカーの3人の選手で構成される、フロントローというポジションがあります。
試合中にフロントローの選手に負傷や退場などが重なりその選手の代わりがいなくなると、スクラムを組むことができないと判断されノーコンテストスクラムになります。
ラグビーはプレーヤーが15人もいるし、リザーブも8人もいるので、プロップ、フッカーではないポジションの選手が代わりにフロントローに入ればいいのではと思う方もいるかと思います。
しかし、スクラムの1列目のフロントローは、適切な訓練を受けた選手が務めるという決まりがあります。
なので、フォーワードの選手の誰かがフロントローに入ってスクラムを組めばいいという訳にはいかず、ましてや体格がいいからという理由だけでフロントローに入るということはできません。
スクラムの1列目は、訓練を受けた選手でないと怪我をする恐れがあり、とても危険がともなうポジションだということです。
また、ノーコンテストスクラムとなる条件には、両チームのレベルの差が大きい場合(体格にあまりに差があるなど)もあります。
特に、若い10代の成長期にある高校生などのラグビーでは、身長や体重さなどの体格(フィジカル)の差が大きいことがあります。
公式戦の1回戦などで、レベルの差が大きくエンゲージでコンタクトさせるのが危険だと審判が判断した場合には、ノーコンテストスクラムにすることもあるそうです。
そのため、条件として、スクラムを組める選手がいないだけでなく、スクラムを組むことが危険と判断された場合にもノーコンテストスクラムとなります。
まとめ
ラグビーの数あるルールの中から、ノーコンテストスクラムについて解説いたしました。
15人制のラグビーでは、スクラムも競技としての魅力の一つです。
しかし、このスクラムを組むことが出来ない状況が生まれてしまうこともあります。
両チームの体格差がありすぎて危険なこともあります。
そんな時、採用されるのがノーコンテストスクラムというルールです。
スポーツとして安全に競技を進めるための手段とも言えますね。
知れば知るほど奥が深いラグビーのルールの一つだと思います。
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