天ぷら、フライ、から揚げの明らかな違いは衣にあります。
衣に使う材料と作り方は下記のとおりになります。
- 天ぷらは、小麦粉を卵と水に溶いた液体の衣を食材に絡ませて揚げる
- フライは、小麦粉、卵、パン粉の順につけて揚げる
- から揚げは、下味をつけてから小麦粉か片栗粉をまぶして揚げる
同じ食材を使っても衣が違うと糖質だけでなく、揚げたときに吸収する油の量が変わりカロリーにも差が出ます。
天ぷらとフライの糖質は食材と衣の糖質を合わせたもので、特にパン粉も使っているフライは糖質が最も高くなります。
反対に、から揚げは糖質がほとんど含まれない鶏肉や魚などを使うことが多く、まぶした粉の分の糖質が目安となるため、糖質は低くなります。
カロリーの違いは、揚げた時の油の吸油率が関係します。
吸油率とは、食材の重量に対して吸収する油の量の割合です。
- から揚げ 6~8%
- フライ 10~20%
- 天ぷら 15~25%
例えば、100gの豚ロース肉は253kcalですが、衣をつけ油を吸収したトンカツは335kcalになります。
えびは1本15kcal程度ですが、天ぷらに調理されると58kcalとなりカロリーがアップします。
また、揚げ物を食べるときにつける天つゆやソースの分のカロリーや糖質もプラスされますので、カロリーを控えたい方はつけ過ぎに注意が必要です。
今回は、天ぷら、フライ、から揚げの違いについて気になる実際の糖質やカロリーも調査しましたのでぜひお役立てください。
天ぷら、フライ、から揚げの違い
天ぷら、フライ、から揚げの衣の材料と作り方を順番にみていきましょう。
天ぷら
天ぷらは日本の伝統料理であり、エビやイカなどの魚介、なすやかぼちゃなどの野菜、竹輪などの加工品まで幅広く楽しむことができる調理法です。
天ぷらは、小麦粉を冷たい水で粘り気をださないように溶き、溶いた卵も入れてサックリ混ぜ合わせた液体の衣です。
食材の水分をしっかりふき取ってから、衣の液にくぐらせるようにしてつけます。
野菜は160℃から170℃の低温で、水分が多い魚介類は180℃以上の高温で短時間で揚げるようにすると、天ぷらの表面がサクサクで中がジュワっとした食感に仕上がります。
天ぷらは塩や天つゆなどにつけて食べますが、天つゆのカロリーは1食分30gで約15kcal、糖質は2.8gも含まれるため、つけ過ぎには注意しましょう。
また、具材はさつまいもやかぼちゃがよく使われますが、糖質が高いので気になる方は避けた方がいいでしょう。
フライ
フライも日本独特の衣ですが、洋食をヒントに作られた調理法で「トンカツ」、「チキンカツ」、「ハムカツ」のように「カツ」とも呼ばれています。
フライの衣の作り方は、食材に塩、コショウで味を調えてから小麦粉をまぶし、卵をからめてパン粉をはたきつけるようにします。
元々火を通した具材を揚げるコロッケは160~170℃の低温で揚げ、とんかつやエビフライは170~180℃とやや高めの温度で揚げるのがコツです。
フライの最大の特徴は、冷めても美味しく食べられるところです。
食べるときはソースかタルタルソースをかけて食べる方が多いですが、実は中濃ソースやタルタルソースにもカロリーや糖質が含まれています。
- 中濃ソース 大さじ1杯17g 22kcal 糖質5.1g
- タルタルソース 大さじ1杯15g 56kcal 糖質0.9g
カロリーは高いようですが、糖質が少ないですよね。
でも、つけすぎないようにしてください。
次はから揚げです。
から揚げ
から揚げというと、一般的に鶏のから揚げを認識される方が多いようです。
から揚げは、食材に下味をつけた後、小麦粉か片栗粉をまぶしたもので魚介でも作られることもあります。
何も味付けしないで粉だけをまぶして揚げる方法も、から揚げと呼ぶようです。
から揚げは外側はカリカリ、内側をジューシーにするために2度揚げという方法で作るのがおすすめです。
最初は160℃程度の低温で揚げ、2回目は180℃の高温で短時間で揚げます。。
小麦粉のみで作るとややしっとりした衣になり、片栗粉を使うとサクサクした衣になります。
天ぷら、フライ、から揚げの糖質の違い
油に含まれる糖質は0gですので、衣の違いになります。
天ぷらとフライの糖質は食材と衣の糖質を合わせたもので、特にパン粉も使っているフライは糖質が最も高くなります。
反対に、から揚げは糖質がほとんど含まれない鶏肉や魚などを使うことが多く、まぶした粉の糖質が目安となるため糖質は低くなります。
では、天ぷらとフライではどちらが糖質が高いのでしょう。
同じ大きさのエビで比べてみました。
1本20gの車エビを使用した時の比較です。
- エビの天ぷらの糖質は1本当たり約2.6g
- エビフライの糖質は1本当たり約6.3g
フライの方が衣の糖質が多いため、エビフライの方が糖質が高いことがわかりました。
衣のつけ具合でも調節可能ですので、糖質を控えたい場合は、余分についた小麦粉やパン粉を落としてから揚げるといいでしょう。
また、から揚げの1個40gあたりの糖質は粉の分が目安となりますので約5gです。
ただ、衣に使う小麦粉と片栗粉では糖質量が違います。
小麦粉の糖質は100g中73.3gですが、サクッと仕上がる片栗粉の方が糖質がやや高く100g中81.6g含まれます。
グルテンフリーの調理でよく利用される米粉の糖質も、100g中81.3gと高いため糖質を抑える効果はないようです。
天ぷら、フライ、から揚げのカロリーの違い
天ぷらは食材につける衣の量が多く、表面積も大きくなるため吸油率が高い傾向にあります。
比較してみますと、天ぷらが最も多く一番少ないのはから揚げでした。
吸油率とは、食材の重量に対して吸収する油の割合を表します。
- 天ぷらは15~25%
- フライは10~20%
- から揚げは6~8%
数値だとイメージが難しいため、一食分でどのくらいの違いになるか調べましたので参考にしてください。
- 天ぷら盛り合わせ 揚げる前439kcal 揚げた後574kcal(吸油率15%で計算)
- とんかつ(約100g) 揚げる前335kcal 揚げた後425kcal(吸油率10%で計算)
- 鶏のから揚げ3個(約120g) 揚げる前250kcal 揚げた後315kcal(吸油率6%で計算)
鶏のから揚げは部位をもも肉ではなく、むね肉を使用するとカロリーを下げ脂質を抑えることができます。
その時の状況によって変えるのもいいかもしれません。
引用元
- 七訂食品成分表
- 最新早わかりインデックス 食材&料理カロリーブック/主婦の友社
まとめ
今回は、天ぷら、フライ、から揚げの違いを改めて掘り下げ、それぞれの糖質やカロリーの違いも調査しました。
- 天ぷら、フライ、から揚げの明確な違いは衣の材料と作り方にある
- 天ぷら、フライ、から揚げの糖質の違いは天ぷらとフライは食材と衣の材料を足すため高くなり、から揚げは粉のみの糖質を目安とするため低くなる
- 天ぷら、フライ、から揚げのカロリーの違いは揚げたとき吸油率が大きく関係し最も多いのは天ぷらで少ないのはから揚げ
天ぷらの衣はさっとくぐらせ、フライは余分なパン粉をふりおとしてから揚げるといいですね。
から揚げは5個ぐらいまでは食べてもよいかもしれません。
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