作った酢飯に具材を混ぜて、錦糸卵やいくら、エビ、きぬさやなどをのせて見た目も華やかなちらし寿司は、しっかりと味がついて美味しいので、翌日のお弁当に入れたいと思うこともあるでしょう。
しかし、保存期間が異なるいくつもの食材が一緒になったちらし寿司を、お弁当に詰めても大丈夫なのか気になります。
きちんと保存できているちらし寿司なら、翌日のお弁当に詰めても大丈夫です。
夏場にちらし寿司をお弁当に詰める場合は、野菜室で一晩保存したちらし寿司を、冷やした状態のままでお弁当に詰めると食中毒対策になります。
トッピングとして、刻んだカリカリ梅やガリ、大葉など腐敗を抑える食材をのせると効果的です。
それでは、ちらし寿司の残りを翌日のお弁当に詰めても大丈夫か、夏場の詰め方で気を付けることはあるかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
今までちらし寿司をお弁当に持って行きたかったけど、不安要素が多く躊躇していた方、必見です。
ちらし寿司の残りを翌日のお弁当にしても大丈夫?
きちんと保存できているちらし寿司であれば、翌日のお弁当に詰めて持って行くことは可能です。
それでは、そのちらし寿司を翌日のお弁当にする時の注意点をいくつかお伝えします。
傷みそうな食材を除く
まず、食中毒を防ぐことを一番に考えなければなりません。
お刺身などの生ものはもちろんですが、錦糸卵やきゅうりなどは傷みやすいので取り除きます。
また、生ものから出た水分が付いた部分や直接箸をつけた所も取り除いておくと安心です。
私は、1年に数回ちらし寿司を作りますが、翌日のお弁当にちらし寿司を持って行きたいと考えた時は、予めお弁当用に傷みそうな具材をのけた酢飯を作っておきます。
また、作ったちらし寿司を食卓に出す時には、テーブルの上の大きな寿司桶から各自が器に入れるようにするのではなく、前もってめいめいのちらし寿司用の器に小分けにします。
残りは混ぜ物をしている酢飯を大きな寿司桶に入れておき、上にのせるトッピングは別皿におき、お代わりしたい人は、木杓子や取り分け用の箸で取るようにしています。
そうすることで、翌日に残ってしまう酢飯も手付かずの状態ですので安心です。
酢飯の乾燥を防ぐ
次に酢飯の乾燥を防ぐ手順をお伝えします。
- タッパーなど蓋つきの保存容器に移したちらし寿司の上に、キッチンペーパー(または消毒済みの清潔な布巾)を濡らして絞ったものを広げてのせます。
- その上にラップをして、容器の蓋をして、さらに新聞紙で包むことで冷えすぎ防止になり、ご飯がパサパサになるのを防げます。
- 冷蔵庫の野菜室にスペースを作って、翌日まで保存します。
ご飯の劣化が進むのは2~3℃くらいの環境なので、7℃前後に設定されている野菜室で保存すれば、ご飯の劣化を緩やかにすることができます。
気温が低い冬場なら常温保存でも大丈夫な場合が多いですが、外は寒くて気温が低くても、室温が高ければ傷みやすくなるります。
保存している間の室温が野菜室の温度くらいに保てる場合以外は、野菜室で保存する方が安心でしょう。
夏場のちらし寿司をお弁当に詰める方法
気温が高い夏場は菌の繁殖が気になるので、お弁当にちらし寿司を入れるには、一層の注意が必要になります。
上記の酢飯の乾燥を防ぐ方法で一晩保存したちらし寿司を、冷やした状態でお弁当に詰めます。
トッピングとして、刻んだカリカリ梅やガリ、大葉など腐敗を抑える食材をのせると抗菌作用だけでなく、風味も増します。
お弁当と保冷剤を一緒に保冷バッグに入れて持って行けば、多少固くなることはあっても、美味しく食べられます。
お弁当用の抗菌シートを使うとより安心でしょう。
ちらし寿司のお弁当の詰め方
ちらし寿司のお弁当の詰め方は、工夫次第でいろいろあると思いますが、ここでは、
- 箱ちらしにする
- 油揚げに詰める
- おにぎらずにする
の三つの詰め方をお伝えします。
酢飯に具が混ぜてあるので、そのままでも美味しく食べられますが、ちょっとしたひと工夫で見た目も美味しさもアップします。
お弁当に詰める前に、ちらし寿司にラップまたはプラスチック製の蓋をして、電子レンジ500Wで30秒程温めた後、よく冷まします。
レンジで温めると、酢飯の酸味が飛んでしまいやすいので、温めた後、少しだけすし酢を加えてもよいでしょう。
よく冷めきってない状態でお弁当に詰めると、傷む原因になります。
また、具材をのせる時には、清潔な菜箸や手袋を使って直接手で触れないようにしましょう。
箱ちらしにする
- お弁当箱の1/4位までちらし寿司を詰める
- その上に炒り卵をのせ、さらにちらし寿司をのせる
- トッピングを飾る
蓮根や生姜の甘酢漬け、桜でんぶなどを飾り付けます。
油揚げに詰める
- 油揚げを湯通しし、味付けをする
※朝、油揚げを煮るのが大変なら前日に煮ておいても大丈夫です。 - 油揚げを半分に切って、油揚げの角までしっかりちらし寿司を詰めて形を整える
- 上からトッピングを飾る
上記の箱ちらしのトッピングの他に、カニカマや鮭フレーク、錦糸卵などをのせても美味しく食べられます。
錦糸卵や箱ちらしで使う炒り卵は、できれば朝作って入れた方がよいですが、大変ならば前日に作って冷蔵庫で保存しても大丈夫です。
ただし、他の具材とは別に保存しましょう。
おにぎらずにする
- 大きめに切ったラップの上に、海苔を置く
- ちらし寿司の半量と錦糸卵や桜でんぶ、あればさやえんどう(塩茹でして刻む)をのせる
- 残りのちらし寿司をのせる
- 四隅を折り畳むようにして形を整える
- 少し休ませて海苔が落ち着いたら、半分に切る
ちらし寿司のお弁当の日持ち
ちらし寿司のお弁当は、生ものや傷みやすい食材を取り除いた状態で詰めて、冷蔵で当日のみの日持ちと考えた方がよいでしょう。
お弁当の場合は、家の冷蔵庫に入れたままではなく、お弁当として詰めて持ち出すわけですから、より一層の注意が必要になり、当日のみ(12時間程)の日持ちと考えた方がよいでしょう。
勤務先等で冷蔵庫に保存できない場合や通勤に時間がかかる場合などは、保冷バックに保冷剤を入れるなどの工夫が必要です。
ちらし寿司の日持ち
お弁当ではなく家庭の冷蔵庫に入れて置けるちらし寿司は、冷蔵で1~2日程です。
常温で保存すると酢飯以外の混ぜ物の具材から水分が出るので、傷みの原因になります。
混ぜ物をしていない酢飯だけの場合は、冷蔵で2~3日程日持ちします。
冷凍保存では、2~3週間程日持ちします。
しかし、日にちが過ぎるほど酢飯は劣化してしまうので、早めに食べることをおすすめします。
なお、この日持ちの目安は、衛生面に十分配慮してきちんと保存した場合の日数です。
保存状態によっては、日持ちがこれより短くなることもあります。
ちらし寿司の腐りやすい具材は?
ちらし寿司の腐りやすい具材は、お刺身などの生もの、きゅうり、錦糸卵などがあります。
それぞれについてお伝えします。
お刺身などの生もの
スーパーなどで購入した茹でエビなどの甲殻類や貝類、魚卵(いくらなど)、お刺身は、多くは一度冷凍した物を解凍して販売しています。
入れた生ものが傷むだけでなく、触れているご飯や他の食材も傷む恐れがあります。
お刺身類は冷蔵庫で保存しても、その日のうちに食べ切る方がよいでしょう。
きゅうり
きゅうりなどの生野菜は水分が多いので、短時間でも傷んでしまい、食中毒の原因になることがあります。
ネット上には、「きゅうりをお弁当に入れるのは、季節を問わずNGと思った方がよい。」という意見もありました。
サラダとして他の生野菜といっしょに、他のおかずとは別の容器に入れて持つならばお弁当にしても大丈夫かと思いますが、ちらし寿司のように他の具材や酢飯といっしょに詰めるのは危険が伴います。
錦糸卵
卵焼きは常温保存で夏場では、2~3時間、冬場でも半日~1日程と言われていますので、錦糸卵をちらし寿司に入れる場合は、できれば当日の朝作ってよく冷ましてから使用した方がよいでしょう。
無理な場合は、前日の夜に作って他の具材とは別に保存することをおすすめします。
錦糸卵を半生の状態で保存することで、サルモネラ菌による食中毒になる危険性があります。
錦糸卵をちらし寿司に入れる場合は、しっかり火が通っているか確認し、生っぽい部分がある時には、裏返すなどしてフライパンでよく焼き直すか、お皿に広げて電子レンジで加熱しましょう。
まとめ
ちらし寿司の残りを翌日のお弁当に詰めても大丈夫か、夏場の詰め方で気を付けることはあるかなどについてお伝えしました。
- きちんと保存できているちらし寿司を、翌日のお弁当に詰めても大丈夫です。
- 夏場には、野菜室で一晩保存したちらし寿司を、冷やした状態のままでお弁当に詰めます。
トッピングとして、刻んだカリカリ梅やガリ、大葉など腐敗を抑える食材をのせると抗菌作用だけでなく、風味も増して効果的です。
お寿司は、酢を使っているから心配ないと思われがちですが、使っている具材や季節によっては数時間で傷んでしまうこともあります。
しっかり味の付いたちらし寿司で、いつもとひと味違ったお弁当タイムを楽しむために、この記事を役立ててもらえたらうれしいです。
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