玄米の洗い方や浸水の仕方に気を付けて炊いた玄米を、スムーズに冷凍し、早めに食べ切るようすれば、冷凍の玄米は美味しく食べられます。
玄米には毒素と呼ばれるフィチン酸やアブシジン酸が含まれていますが、毎日食べ続けても健康への害はないという食品安全委員会の報告があります。
また加熱することで毒作用が働かなくなると言われているので、火をしっかり通して食べればより安心できます。
玄米の保存は冷凍が向いており、冷凍保存するときは炊いた玄米をアツアツの状態で、蒸気も含ませてラップで包んで保存すると、解凍したときに炊きたての玄米の美味しさを再現できます。
玄米の冷凍での保存期間は、約1ケ月ほどになります。
それでは、炊いた玄米を冷凍するとまずいか、玄米に含まれる毒って何か、保存方法や期間はどれくらいかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
玄米を食べ始めたいと思われている方、玄米に含まれる毒が気になっている方、この記事を参考にしてもらえれば、安心して玄米生活が送れますよ。
炊いた玄米を冷凍するとまずい?
玄米の洗い方や浸水の仕方に気を付けて炊いた玄米を、スムーズに冷凍し、早めに食べ切るようすれば、冷凍の玄米は「まずい」とはならないで美味しく食べられます。
冷凍した玄米は「まずい」とならないようにするには、
- 炊く前
- 炊く時
- 炊いた後
それぞれで気をつける必要があります。
炊く前に気をつけること
玄米を研ぐ時には、玄米の表面を傷つけるような感じでかなり強めに研ぐ。
研いだ後、12時間以上水に浸ける。大き目のボールに水を入れて、冬場は12時間以上浸け、夏の暑い時期には、冷蔵庫の中に入れておく。
炊く時に気をつけること
水に浸けておいた玄米をザルで水切りをした後、炊飯器に入れて、白米を炊く時と同量の水を入れて炊く。
こうすることで、炊きあがった後の玄米の匂いが気にならなくなります。
炊いた後に気をつけること
玄米が炊き上がった後は、水っぽくなるのを防ぐために、1時間ほど何もせずに蒸らしておく。
玄米をほぐす時には、しゃもじで切るように混ぜる。
こうすることで蒸気が保水膜を作るので、美味しさを保ちます。
玄米の毒って何?
玄米には毒素と呼ばれるフィチン酸やアブシジン酸が含まれていますが、毎日食べ続けても健康への害はないという食品安全委員会の報告があります。
また加熱することで毒作用が働かなくなると言われているので、火をしっかり通して食べればより安心できます。
玄米に含まれる毒と言われているのは、
- フィチン酸
- アブシジン酸
ですが、身体に良くない物ということで、
- 重金属
- 残留農薬
ついてもお伝えします。
フィチン酸
フィチン酸は、玄米以外にも穀物や豆類の皮に含まれる成分で体内の老廃物と吸着して排出する働きがあります。
玄米にダイエット効果があると言われているのは、この「フィチン酸の老廃物の排出力がすごい!」と注目されたからです。
しかし、フィチン酸は身体に必要なミネラルである亜鉛や鉄などにも吸着して排出してしまうという欠点があります。
日頃から食が細い方や、ダイエットで極端に食事量を減らしている方などがミネラル不足に陥る心配があります。
対処法としては、炊く前の吸水時間を長く12時間以上とることです。
吸水時間をおくことで、フィチン酸の働きが弱まると言われています。
厚生労働省でも、「人への健康影響を示唆するような試験結果は認められていない」としています。
アブシジン酸
アブシジン酸とは、植物の種子や豆類、穀類に含まれる発芽抑制因子というホルモンです。
人間の体内のミトコンドリアを傷つけてしまうホルモンで、エネルギー生産が上手くいかなくなり、体調不良や低体温などの症状を起こしてしまうことがあります。
しかし、アブシジン酸も炊く前に12時間以上吸水させ、玄米を発芽させることで無毒化することができます。
さらに、アブシジン酸は加熱することで、毒の作用が弱まってしまうので心配はなさそうです。
厚生労働省によると、「人の健康を損なうおそれのないことが明らかである」ということです。
重金属
重金属の中のヒ素とカドミウムが玄米のぬかと胚の部分にたまりやすく、玄米を頻繁に食べる人の身体に影響があるのではないかと言われています。
ヒ素とカドミウムはどこの土壌に含まれているもので、他の農作物にも微量ながら付いてしまっています。
しかし、身体に入っても滞留せず、他の老廃物と一緒に排泄されるため、農林水産省でも「健康への影響は認められておらず、現状に問題があるとは考えていない」としています。
食品中のヒ素に関するQ&A:農林水産省 (maff.go.jp)
玄米を過剰に食べることは避けて、水分をしっかり取って代謝を促しましょう。
残留農薬
玄米に付着している農薬は、ぬかと胚に残ったまま出荷されます。
農薬は精米すれば取り除くことができますが、玄米はそのまま食べるため農薬を口に入れる事になってしまいます。
しかし、厚生労働省によると国内に出回っている玄米は安全基準を下回っていて、身体に影響を及ぼすことはないそうです。
食品に残留する農薬等に関する新しい制度(ポジティブリスト制度)について~農薬等の残留基準を規制する制度が変わりました~|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
もし、それでも気になる方は、農薬不使用や有機JASの玄米を購入するという方法もあります。
私は、有機食品の専門店で玄米を購入することがありますが、それほど価格帯が高いと感じたことはありません。
玄米もたくさん種類がありますので、自分の好みのものを探してみるのもいいかもしれません。
炊いた玄米の冷凍保存
玄米の保存は冷凍が向いており、冷凍保存するときは炊いた玄米をアツアツの状態で、蒸気も含ませてラップで包んで保存すると、解凍した時に炊きたての玄米の美味しさを再現できます。
炊いた玄米の冷凍保存方法
玄米を冷凍保存する方法は、下記のようになります。
- 炊きたてに近い玄米を、アツアツのうちに一食分ずつ湯気が出る状態でラップでふわっと包む
- 2~3cmぐらいの厚さで平らにするように整える(冷凍が早く進み、解凍時の加熱ムラも防げるため)
- ラップに包んで平らに整えた玄米の粗熱を取る
- 粗熱を取れたら冷凍用保存袋に入れてから、金属トレイに乗せて急速に冷凍する
美味しく日持ちさせるコツはアツアツの状態でラップをすることです。
蒸気を閉じ込めることになるので、食べる時に玄米がふっくらとします。
冷めた玄米をラップに包んで冷凍すると水分量が少なく、ぼそぼそとした食感になってしまうと考えられます。
また、冷凍用保存袋に入れて冷凍することで、冷凍庫の臭いが付かなくなり、「冷凍した玄米の臭いが気になってまずい」ということも防ぐことができます。
冷凍した玄米の解凍方法
冷凍保存した玄米が「まずい」とならないで、美味しく食べるには蒸して解凍する方法がおすすめです。
蒸す方法として、蒸し器がない場合には、
- フライパンで蒸す
- 電子レンジで蒸す
があります。
フライパンで蒸す
- 凍った玄米を茶碗に移して、フライパンに乗せる
- 茶碗の半分くらいの高さまで、フライパンに水を入れる
- フライパンに蓋をして火にかける
- 沸騰後、10~15分蒸す
蒸し器がなくても、蒸し器で蒸したように美味しく解凍できます。
電子レンジで蒸す
- 冷凍ご飯を冷凍庫から出して、しばらく常温に置く
- ラップに水滴が付いたら、電子レンジで1~2分ほど加熱する
- ラップの上から布巾を被せて、数分蒸らす。
こうすることで、熱と水分が均等になり、美味しく解凍できます。
食べる直前に蒸して解凍すると美味しく食べられます。
冷凍した玄米の保存期間
炊いた玄米の冷凍保存期間は、1ケ月が目安になります。
保存期間が長くなると、それだけ味は落ちてしまいます。
美味しく食べられるのは、冷凍後1週間と言われているので、その期間が過ぎたら早めに食べ切るようにするとよいでしょう。
日にちが経過し風味が落ちてしまった場合は、チャーハンにしたりオムライスにしたりすると、パサつきが気にならず美味しく食べられます。
玄米をお弁当に美味しく詰める方法
玄米生活を始めたら、お弁当にも玄米を入れたいと思われる方もいらっしゃると思いますが、時間が経った玄米はどうしても味が落ちてしまいます。
そこで、ポイントとして
- しっかり吸水させてから炊いたものを使用する
- 炊きたてを冷ましてから入れる(お弁当箱内で35℃以上になると傷みやすい)
- お弁当の底を触って熱くなければふたをしめる
を心がけるとよいでしょう。
とりそぼろ弁当やドライカレー弁当、牛丼のように玄米の上にのせるお弁当だと、うまく乾燥が防げて美味しさも保つことができますよ。
また、曲げわっぱの木のお弁当箱は見た目がおしゃれなだけでなく、木が余計な米の水分を吸い取り、適度な湿度を保ってくれるので、冷めても美味しく食べられます。
まとめ
炊いた玄米を冷凍するとまずいか、玄米に含まれる毒って何か、保存方法や期間はどれくらいかなどについてお伝えしました。
- 玄米の洗い方や浸水の仕方に気を付けて炊いた玄米を、スムーズに冷凍し、早めに食べ切るようすれば、冷凍の玄米は美味しく食べられる。
- 玄米には毒素と呼ばれるフィチン酸やアブシジン酸が含まれているが、毎日食べ続けても健康への害はないという食品安全委員会の報告がある。
- 加熱することで毒作用が働かなくなると言われているので、火をしっかり通して食べればより安心できる。
- 冷凍保存するときは炊いた玄米をアツアツの状態で、蒸気も含ませてラップで包んで保存すると、解凍したときに炊きたての玄米の美味しさを再現できる。
- 玄米の冷凍での保存期間は、約1ケ月。
玄米には、糖質の吸収を穏やかにする食物繊維、代謝や皮膚の健康を守るビタミンB、血液や骨の健康を維持するミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。
家族がなかなか玄米を食べてくれないという方、自分の分だけまとめて冷凍しておけば、食べたい時に食べられます。
食べることで健康維持に役立つ玄米を食べ続けることができるように、この記事を参考にしてもらえたらうれしいです。
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